着物のクリーニング

大切な着物はいつまでも綺麗な状態のまま保存したいものです。自宅で洗濯することができる着物もありますが、「シミができてしまった」「素材の関係で自分で選択できない」「高価な着物なのでプロに任せたい」などの理由でクリーニング業者に任せようと考える方も多いことでしょう。

大切な着物ですから、信頼できるクリーニング店に託してキレイに長持ちさせたいところです。ただ、一口にクリーニング店と言っても、近所のクリーニング屋さんから、着物専門のクリーニング店や宅配クリーニング店など様々なクリーニング店があります。それぞれのメリットデメリットから、おすすめの着物のクリーニング店について詳しく解説していきます。

着物のクリーニング方法ごとのメリット・デメリット

着物をクリーニングに出す手段は大きく分けると3つあります。まずは、それぞれのメリットデメリットを解説します。

1.通常のクリーニング店

着物クリーニング_一般店

いわゆる、近所のクリーニング屋さんがこれに当たります。スーツやYシャツなどのクリーニングで利用したことがある方も多いと思います。こうしたクリーニング店は様々な衣類を取り扱っており、大手のクリーニング業者であれば着物も対応してくれることが多いです。

しかし、着物のクリーニングは普通の洋服のクリーニングと使う溶剤や洗い方などが違うため、外部の専門業者に委託するケースがほとんどで、その分金額も高くつく傾向にあります。料金相場としては1万円を超える場合が多いです。

<メリット>

  • どの地域にも近所にクリーニング店がある

<デメリット>

  • 着物を専門にしておらず、ほとんどが専門業者への外注となり料金が高くなる傾向にある。

2.呉服店・着物専門店

着物クリーニング_呉服店

着物を買った時の呉服店・着物専門店にクリーニングを出すことも可能です。こちらは着物の扱いには長けていますが、着物の手入れ・クリーニングの知識はあまり持っていないケースが多いです。

クリーニング設備も当然持っておらず、お抱えの着物の総合加工業者に依頼することとなります。クリーニングだけではなく、シミ抜き・仕立て・その他加工など幅広く対応可能なので、着物の修理などを含めて相談したい場合は呉服店や着物専門店へ相談するのが望ましいです。

<メリット>

  • お抱えの総合加工業者がいる場合が多く、クリーニング以外の相談も対応可能

<デメリット>

  • 着物の手入れ・クリーニングに詳しいわけではなく、外注業者に依頼していることがほとんど。

3.着物クリーニング専門店

着物クリーニング専門店

3つ目の手段は、着物のクリーニング専門店に依頼する方法です。呉服店や着物専門店とは違い、着物の手入れやクリーニングを専門にしている方々なので品質が高く、自社で着物をクリーニングする設備も持っており、比較的安く対応できることも特徴です。

ただし、通常のクリーニング店や呉服店と比べると店舗数が少なく、持ち込みできるエリアが限られている点があります。

現在では、着物専門の宅配クリーニングもいくつか存在しており、「専門家に任せたいけど近場に着物クリーニング専門店がない…」といった方も簡単に依頼できるようになっています。

<メリット>

  • 着物のクリーニングに特化しており、クリーニングの品質が高い。
  • 自社でクリーニング設備も持っているため、比較的安く依頼することができる。

<デメリット>

  • 店舗数が多くないので、持ち込めるエリアは限られている。(ただし、着物の宅配クリーニングを使えば基本的に日本中どこでも対応可能)

着物のクリーニングを検討するなら、着物クリーニング専門店へ

上記の通り、着物クリーニング専門店以外は、基本的には外注してしまうため治療品質・価格の観点から着物クリーニング専門店へ依頼するのが望ましいです!着物のクリーニングに関しては、それ

着物クリーニング専門店の選び方を解説!宅配利用時の注意点も。

着物クリーニング専門店は数が少ないといっても、それぞれ店舗ごとに特徴が異なります。満足のいくような着物クリーニングができるように以下のポイントで比較すると良いです。

1.着物クリーニングに長けた職人さんが在籍しているか

着物のクリーニングは普通の洋服とは異なります。クリーニングの品質は、職人の腕次第です。長年、着物クリーニングに携わっているお店に頼むのが望ましいです。

とはいえ、なかなかその職人がいるかどうか見極めるのは難しいです。そこで、「丸洗い」という国家資格があるかを見ると良いです。丸洗いは着物を解かずに洗うことを指します。国家資格を保有していないとできない技術なので、丸洗い可能かどうかを事前にチェックするのが望ましいです。

2.着物の種類ごとでいくらかかるか

一口に着物と言っても、留袖・振袖・袴・訪問着・喪服・浴衣・七五三などいくつも種類が分かれています。そして、それぞれで料金が微妙に異なります。

自分が出したいものが何円になるのか事前にチェックしておくことが大切です。また、着物をクリーニングに出す場合、大半の方が帯や足袋・腰紐などの小物類もセットで出されることと思います。それら含めて何円くらいになるか事前に比較しましょう。

3.ユーザーの口コミ・評判が良いか。

これは当たり前ですが、ユーザーの口コミは必ず見るようにしましょう。特に、着物は高価な衣類です。 評判に悪いお店に依頼をするのは大切な衣類を痛めてしまうリスクも伴います。着物クリーニング専門店はどこも高品質を謳っており、しっかりと品質比較するには口コミ・評判も加味して選ぶことが望ましいです。

4.宅配利用時は梱包方法もチェック

近くに着物クリーニング専門店がない場合は、宅配を利用することとなると思います。その際には、梱包がどのようにされるかもチェックするのが良いです。

着物クリーニング専門店でキレイにしてもらっても、配送中に寄ってしまいお手元に届くまでに着物がぐちゃぐちゃになってしまう…なんてことになってしまうと本末転倒です。宅配利用時は梱包にも気にかけて選ぶと良いです。

用意している業者を選びましょう。

着物の宅配クリーニング店のおすすめ3店を徹底解説

アライバは安く着物を安く宅配クリーニングできる専門店。保管にも最適。

アライバは創業55年以上、年間20万枚の着物をクリーニングしている着物の宅配クリーニング業者です。

全国に20箇所以上の店舗を運営しています。アライバの特徴はまず着物に精通していることです。アライバの運営会社は着物レンタル事業や和装小物専門店を運営しています。したがって着物の扱いに長け、着物のクリーニングに関してもプロフェッショナルな職人を採用し、高品質なクリーニングを実現。またクリーニング対応も留袖・振袖・洒落着に加え、帯や和装小物類まで幅広く扱っています。

最大の特徴はアライバのクリーニング料金が他社と比較して安いことです。5,000円以上が相場とも言える着物の宅配クリーニング業者の中で、アライバではどのような種類の着物でも1点4,378円から対応してくれます。

また保管サービスがあるのもアライバの特徴です。着物はデリケートな衣類であるため、保管場所にも気をつける必要があります。アライバでは適切な環境下の保管場所で、クリーニングから1年間無料で着物の保管が可能です。自宅に保管場所がない方や、次に使う機会まで着物を預かって欲しい方に重宝されています。

アライバの料金

項目金額(税込)
着物クリーニング1点(着物のみ)4,378円
着物クリーニング3点(着物+帯*襦袢)7,678円
着物クリーニング4点(着物+帯+襦袢+袴)9,878円
保管料金1点(着物のみ)1,078円
保管料金3点(着物+帯*襦袢)2,178円
保管料金4点(着物+帯+襦袢+袴)2,178円
クイック納期(1ヶ月が最短10日に)1,100円
汗処理3,190円
ファンデーション・汚れ落とし2,090円
カビ取り(しみ・変色の除去)10,890円
ガード加工5,500円
ほつれ処理990円
虫干し(保管利用時、年に1回、着物を外に干す)2,090円
参照:https://araiba.net/cleaning

自宅からアライバへの着物の発送は別途送料がかかります。アライバからの発送は送料がかかりません。

保管を利用される場合は、2年目以降は別途料金が発生します。

きものtotonoeは技術力・品質の高い宅配クリーニングが特徴

着物宅配クリーニング きものtotonoe

きものtotonoeは年間6万点以上の着物をクリーニングしている着物の宅配クリーニング業者です。着物専門雑誌で特集が組まれるなど、世間的に有名です。

きものtotonoeの特徴は高い技術力にあります。熟練の職人を揃え、着物の検品を入念に行います。どんなシミも見逃すことはありません。

丸洗いも手作業で行い、独自の洗浄液を用いて衛生的に着物を仕上げます。様々な種類のシミにも対応し、丁寧な「シミ抜き」もしてくれます。

この技術力ゆえ、特に呉服店からの依頼が絶えません。専門店と同じようにクリーニングを受けたい方にきものtotonoeを推奨します。

きものtotonoeの料金

項目金額(税込)
留袖・訪問着・附下小紋・紬・お召し色無地男物きもの喪服7,920円
7,920円
羽織・コート・男物羽織4,620円
襦袢・男物襦袢4,620円
絞り浴衣4,180円
袋帯・名古屋帯4,620円
半幅帯・角帯4,070円
匠診断1,100円
汗処理1,980円
シミ抜き別途見積もり
参照:https://kimono-totonoe.jp/lp/

エコノミーコースは丸洗いのみ、スタンダードコースには丸洗いと匠診断が付きます。匠診断では、着物totonoeの職人が着物を隈無く検品して手入れをします。汗・汚れ・シミが気になる方におすすめです。エコノミーコースは4週間、スタンダードコースは6週間かかります。

きものtotonoeの割引・キャンペーン・クーポン情報

きものtotonoeは現在6万点突破を記念して「お客様感謝キャンペーン」を実施しております。

アライバ様と似ているセットプランで、高品質なクリーニングをお安く利用できます。

項目金額(税込)
エコノミーコース1点(着物のみ)7,920円→5,830円
エコノミーコース2点(着物+帯or襦袢)12,540円→9,350円
エコノミーコース3点(着物+帯+襦袢)17,160円→12,870円
スタンダードコース1点(着物のみ)9,020円→6,930円
スタンダードコース2点(着物+帯or襦袢)14,300円→11,110円
スタンダードコース3点(着物+帯+襦袢)19,140円→14,850円
参照:https://kimono-totonoe.jp/lp/

また、きものtotonoeでは「超ゆっくり便」という納期を4ヶ月まで引き延ばしたプランであれば220円引きで利用することが可能です。

また、公式LINEを登録することで300円引きのクーポンも発行してもらえます。初回の利用時は必ず利用するようにしましょう。

リナビスは総合型の宅配クリーニングだが、着物に特化したクリーニングも可能。

リナビスは着物専門店ではありませんが、熟練の職人が多数在籍しており、着物の丸洗いも自社で可能なクリーニング店です。

もちろん、丸洗いだけではなく、汗抜き・撥水加工はもちろん、金糸のほつれ直しや金加工の剥げ直しなど、幅広いオプションが特徴になっています。

少々料金は割高ですが、品質重視の方にはオススメのクリーニング店です。

リナビスの料金

項目金額(税込)
大人着物1点(着物のみ)16,500円
子供着物1点(着物のみ)14,300円
雨コート / 和コート / 大人袴 / 袋 / 帯 / 保管パック / 狩衣(袷) / 羽織 / 子供きもの(大四ッ身) / 振袖じゅばん / 白下着 / 名古屋帯 / (袷)じゅばん(単)羽織 / 子供きもの / 子供袴 / 小振袖じゅばん / 単帯 / 法衣5,500円
単衣・肌じゅばん / ハクエ / 子羽織 / 兵児帯 絞り有 / ゆかた絞り / 子供じゅばん(大四ッ身) / 半帯 / 丹前 / 袈裟3,300円
子供じゅばん / チョゴリ下 / 兵児帯 絞り無 / ゆかた / 子供帯 / 子供綿入り半天 / 被布 / 打敷 / チョゴリ上 / 付属品(手袋・ベール等) / 半じゅばん上 / 半じゅばん下2,200円
しごき / 帯揚げ / 足袋 / 伊達衿 / 輪袈裟 / 半衿 / 帯締め880円
汗抜き加工1点4,400円
撥水加工1点4,400円
参照:https://rinavis.com/s/kimono/

シミ抜きやその他加工に関しては、別途見積もりとなります。

リナビスの割引・キャンペーン・クーポン情報

リナビスは期間限定で新規会員登録時にすぐ使える「1,000円分ポイント」をプレゼントしています。

また利用回数に応じてポイント倍率が変わり1%〜5%のポイントが付与されます。

大手宅配クリーニング店の着物クリーニング料金

ホワイト急便

ホワイト急便は全国各地にフランチャイズを展開する店舗型の大手クリーニングチェーンです。店舗型と宅配型のどちらも利用できます。

宅配利用時の料金は以下の通りです。

項目金額(税込)
着物(振袖・黒留袖・色留袖・訪問着・付け下げ・小紋・紬・喪服・男物着物)12,980円
襦袢(長襦袢・半襦袢)2,500円
羽織・着物コート・浴衣・はかま・帯(帯の種類はなんでもOK)・着物リメイク品(ワンピースなど)2,500円
汗抜き加工1点2,200円
安心パック1点2,200円
参照:https://delivery.white-ex.co.jp/products/detail/4

来店でのご利用に関しては店舗によってできるかどうか異なるため、持ち込み利用時は事前に確認するようにしましょう。(検索はこちらをクリック)

白洋舎

白洋舎は1906年に創業した、100年以上の歴史を誇る大手店舗型クリーニングチェーンです。

調べた限り着物宅配での依頼はできず、店舗への持ち込みのみの対応となります。

項目金額(税込)
訪問着・つけさげ12,650円 
留袖13,200円 
きもの 袷12,100円 
長じゅばん5,280円~
袋おび7,700円
名古屋おび5,830円 
参照:http://www.hakuyosha.co.jp/cleaning/price/table01/#price04

着物・長襦袢・帯のセットで依頼をかけると安く見積もっても2万円以上はかかってしまいます。

金額だけで考えると比較的割高といえます。

Lenet(リネット)

Lenet(リネット)は宅配クリーニング店の中でも知名度の高いお店で、幅広い衣類のクリーニングが可能です。

着物に関しては、通常の衣類と異なり、特殊品専門工場でクリーニングとなります。

宅配利用時の料金は以下の通りです。

項目金額(税込)
着物(振袖・留袖・色留袖・訪問着・付け下げ)14,740円
袷(小紋・紬)10,956円
長襦袢6,325円
半襦袢・肌襦袢6,732円
6,325円
着物帯7,447円
参照:https://www.lenet.jp/plan/g/kimono

こちらも専門店ではないので、着物・襦袢・帯のセットで2万5千円とかなり割高になってしまいます。

着物宅配クリーニングはどこにすべき?徹底比較

オススメの宅配クリーニング業者から、大手の宅配クリーニング業者などの特徴・料金をまとめました。

しかし、結局はどこに頼むべきでしょうか?様々なシチュエーションごとに比較してみます。

着物にシミがある時:シミ抜きの見積もり対応が可能な宅配クリーニング店に依頼を!

着物を着て食事などを行うと、食べかす・飲み物が着物に付いてしまい、シミができてしまうケースがございます。

基本的にはシミ抜きは見積もりを行い、別途金額がかかります。なので、大前提としてシミ抜きの見積もり対応が可能なお店への依頼が必須です。

問題は、自分では気づかない小さなシミができている場合です。

自分では気づかないけれど、もしかしたらシミができているそう思った場合は「きものtotonoe」様の利用がオススメです。

着物宅配クリーニング きものtotonoe

匠の診断というサービスが+1,100円で利用できます。プロの職人が1点1点丁寧に検品を行います。着物に残っているシミの種類や程度、生地の状態などを的確に判断し最適なクリーニングを行っていただけます。

シミ抜きオプションを検討される方は「きものtotonoe」をオススメします。

次着物を着るときまで保管していて欲しい:保管に強い着物宅配クリーニング

宅配クリーニングは「保管」というサービスを行っているお店が多く存在します。

これは、次のシーズンまで宅配クリーニング店に衣類を預かってもらうサービスになります。

タンス・クローゼットの中がカサばらないのが嬉しいですし、高品質な環境で保管してもらい衣類を長持ちさせることも。

着物のクリーニングで保管サービスも利用したいなら、「アライバ」がオススメです。

1年間保管込みの料金プランがあるのと、2年目以降も着物単体で1,078円、3点・4点セットなら2,178円で保管してもらえます。

また、「虫干し」と言って1年に1度保管している着物を外に干して空気に当てるオプションもあります。虫干しすることで湿気取り・カビ防止・虫食い防止など様々なメリットがあります。

年間3,000〜4,000円でプロの環境で保管してもらえます。着物のクリーニング・保管を利用するならアライバをご検討ください。

七五三のクリーニング

七五三のクリーニングに関しては、お子様が慣れない着物を来ているためシミ・汚れがつきやすいです。

シミ抜きという観点からきものtotonoeの利用がおすすめと言えます。

七五三の着物のクリーニングに関しては、当サイトでも詳しくまとめていますので、該当の方はこちらの記事もご覧ください。

大切な着物を宅配クリーニング業者に任せてみましょう!

以上のように、業者によってクリーニングの得意分野が異なります。自身の着物の状態に合わせて業者を選びましょう。万が一住んでいる地域にクリーニング店舗がなくても、着物の宅配クリーニング業者であれば電話やインターネットでクリーニングを受け付けています。ほとんどの場合がこちらから着物を発送することで簡単にクリーニングに出せます。ぜひ活用して、大切な着物をいつまでも長持ちさせてください。

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