着物はお手入れをすることで、いつまでも美しい状態で着ることができます。しかし、どのようなお手入れをしたら良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか?着物の汚れやシミは場合によっては、自宅で処理をすることが可能です。まずは、正しいシミの対処法を知っておきたいもの。そこで、自宅で対処できるシミ抜きの方法や、クリーニングを利用する際の注意点について解説します。
気になる着物の汚れやシミって?
振袖や訪問着、留袖などは、普段は着用する機会も少なく、箪笥や押し入れに長期間保管している方も多いのではないでしょうか?いざ着ようと思って箪笥から出してみると、思いがけない場所にシミがついていたり裾の汚れや襟元の汗染みが気になったりする方も少なくないでしょう。着物はこまめなお手入れが長持ちさせるためのコツですが、シミや汚れ、色あせなどは早めに正しいメンテナンスをしておかないと生地が傷んでしまいます。
着物は着用したら、風通しの良い場所で湿気をとってからシミや汚れをチェックして箪笥にしまうのが基本的な流れです。シミや汚れがあった場合、ポリエステルなどの化繊で作られた着物であれば自宅で洗うことも可能ですが、多くの着物の素材は正絹と呼ばれる絹です。絹は自宅で洗うと縮んだり風合いが損なわれてしまったりするので、専門の業者にお願いすることをおすすめします。
シミ抜きは自宅でできる?業者へ依頼する?
自宅でできるシミ抜きの方法
「コーヒーをこぼした」「口紅がついた」などシミの原因は様々です。まずは、気がついた時点でなるべく早く対処することが必要です。そのためには、シミの種類に合った方法で取り除くことが大切なポイント。自宅でシミ抜きをする際は、こすらないことや熱を加えずに行うことも覚えておきましょう。
口紅やファンデーションなどの油汚れは、着物の下に色が落ちても大丈夫な布を敷いて、ベンジンを含ませたガーゼなどで軽く叩きます。汚れを下に敷いた布に移すイメージです。コーヒーや醤油などの水性の汚れは、15倍程度に薄めた中性洗剤を使用します。油性のシミと同じ要領で軽く汚れた部分を叩きます。マヨネーズなどの油性と水性が混じったものは、ベンジンでの処理の後に中性洗剤で処理をします。泥汚れの場合は、着物を陰干しして汚れた部分が乾燥したらブラシで払って汚れを落としましょう。ただし、自宅で処理が難しいシミや汚れは、着物を傷めないためにもプロに依頼すると良いでしょう。
専門業者へ依頼するメリット
着物は、素材や仕立て方など種類によって違いがあります。また、ひどいシミや汚れ、色あせや黄ばみの場合は染め替えなどの技術を必要とします。そのような知識や技術を持ち合わせたプロが、正しい方法で対処してくれるのが専門業者へクリーニングを依頼する最大のメリットです。最近では、実店舗に着物を持ち込まなくても済む着物専門の宅配クリーニングも増えてきています。時間を選ばずに自分の都合に合わせて依頼できるので、実店舗へ持ち込むのが大変な方は利用してみてはいかがでしょうか?
専門業者へ依頼するデメリット
着物のクリーニングは、依頼してから手元に届くまでに時間がかかることがデメリットといえます。シミや汚れの状態にもよりますが、修復が必要になれば更に時間がかかるでしょう。結婚式などで着用したい時には、余裕を持ったスケジュールで依頼するようにしましょう。また、料金のシステムも業者によって異なるので、帯などの小物と併せて依頼する時は事前に確認することが大切です。
着物のシミ抜きを取り扱うおすすめの宅配クリーニング
大切に長く着たい着物だからこそ、クリーニングは信頼できる着物専門の業者にお願いしたいものです。そこで、おすすめの宅配クリーニング業者を3社紹介します。
アライバ
アライバは、全国に20拠点を持つ老舗の着物専門のクリーニング業者です。着物クリーニング専門の職人が、留袖や振袖から婚礼衣装、帯などの小物まで丁寧に対応。熟練の職人の目で着物をチェックしてもらえます。頑固な汗染み、食べこぼしや口紅などの汚れから、色あせや黄ばみなどの修復も行っています。また、一般の家庭では調節が難しい着物に最適な気温や湿度、空間での長期保管も可能です。自宅での保管場所に困っている方にもおすすめです。
着物totonoe
着物totonoeは、年間6万点以上の着物のクリーニングを取り扱う着物専門のクリーニング工房です。熟練の匠による丁寧な検品で、着物に最適な処理方法を施し、難易度の高いシミ抜きや修正、染め替えなどが強みです。丸洗いのみのコースや職人によるシミの検品が含まれるコース、帯や襦袢などとのセットなど料金体系も明確です。自宅処理では落としきれない頑固なシミで困っている方は、問い合わせてみてはいかがでしょうか?
リナビス
宅配クリーニング業者として知られているリナビスの着物コースは、留袖や喪服、振袖などの着物本体の他にも帯や襦袢、足袋などの小物もまとめて依頼することが可能です。希望すれば、最大で12か月無料で保管してくれるのも嬉しいサービスです。「汗抜き加工」や「撥水加工」などのオプションも充実しています。
クリーニング業者を上手に利用しましょう
着物のシミ抜きは自宅で処理できるものもありますが、専門業者へ依頼すれば単にシミや汚れを取り除くだけでなく染色を補正してもらえるケースもあります。着物を綺麗な状態で保管しておくためには、シミ抜きなどのメンテナンスはプロの手を借りることも重要なポイント。着物を専門に取り扱う宅配クリーニングであれば、実店舗に持ち込む必要もなく気軽に利用できます。